研究概要 |
クワはさし木後2週間目に,またトウモロコシは播種後20日目に,また里部産ヘビノネコザ採取後ただちに乾土1g当り添加して1ヵ月間培養した。 各植物から葉を新鮮重で5gに採取し,室温で80%エタノール4回抽出し,さらにその残さを純水で抽出し,また,その残さを1N NaClで抽出した。残さはさらに1N HClで抽出した。各抽出画分はF EtoH,F H_2O,F NaCl,F HClで最後の残さはFRである。 クワとトウモロコシでは葉の中のCdの80%以上がF H_2Oで残りがFRである。これに対してヘビノネコザではF EtoH,F NaCl,F HClにもともと多く存在し,しかもCdを添加すると3画分のCd量は増加した。ZnについてはクワでF EtoHが40〜45%,ついでF HCl(約30%),F H_2O(約20%)の順に多くなっていたが,ヘビノネコザではF HClが約60〜70%で圧倒的に多かった。 以上の結果などから,クワのCdやZnの存在形態は無機塩類の形が支配的であるのに対してヘビノネコザでは細胞壁や蛋白質に吸着または結合した形が支配的で,ヘビノネコザの重金属に対する耐性の原因の一つに考えられた。
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