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1993 年度 実績報告書

着生根における呼吸と養分吸収との量的相互関係

研究課題

研究課題/領域番号 05660066
研究機関北海道大学

研究代表者

山口 淳一  北海道大学, 農学部, 助教授 (80001478)

キーワードイネ / 呼吸 / 着生根 / 養分吸収効率 / 根呼吸 / 重窒素 / アイソトープ
研究概要

1)栄養生長期におけるイネ着生根の呼吸速度は、前培養液および測定中の窒素濃度が0,10,50ppmNでそれぞれ1.8,3.7,4.1mgCO_2gDW^<-1>h^<-1>(25℃)であった。着生根の呼吸測定中に^<15>Nを添加して窒素濃度を上昇させると、呼吸速度は速やかに増加した。定常的呼吸速度に対する増加割合は、0->2ppmNで25%,0->10ppmNおよび0->50ppmNで34-48%であり、前培養液濃度が低く、添加濃度が高い時に大きかった。また、この増加は3時間の測定期間中持続した。また、同一期間における窒素吸収量は、0->2,10,50ppmNで0.82-0.96であり、10->50ppmNで1.2、50->100ppmNで0.16mgN/gDWであった。
窒素添加後に増加した呼吸量と窒素吸収量とから、窒素吸収の呼吸効率を推定したところ、0->2,10,50ppmNで1.22-0.63、10->50ppmNで5.1、50->100ppmNで1.7gN/gCH_2Oであった。すなわち、ある程度の窒素を与えられて旺盛に生育している植物体に適度の窒素が添加されたときに、窒素吸収効率は高かった。
2)リンについて同様の測定をしたところ、呼吸速度はリン(^<32>P)添加直後に高くなり、定常状態に対する増加割合は、0-〉0.5,2,10ppmPで24%、0.5->2,10ppmPで30-45%、10->20ppmPで9%であった。しかし、呼吸速度は時間の経過とともに低下し、約1時間後には定常的速度にもどった。これは、リンでは、窒素と異なり、急激にリンが供給されても吸収・同化にある程度の時間がかかり、また、植物体が新たな代謝に対応するのに時間がかかることを意味する。
リン吸収の呼吸効率は、0->0.5,2,10ppmNで0.55-3.3、0.5->2,10ppmpで1.2-1.4,10->20ppmNで9.3mgP/gCH_2Oと、添加前のリン濃度が高く、また、添加濃度が高いときに大きかった。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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