研究課題/領域番号 |
05660095
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鈴木 幸雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80033108)
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研究分担者 |
杉本 学 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20216336)
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キーワード | 有機溶媒系における酵素合成 / テルペノイド配糖体の酵素合成 / フェルネシル-β-グリコシド / ゲラニルゲラニル-β-グリコシド / α-グルコシルカテコール / 酵素的燐脂質化 / ホスファチジルチアミン / ホスファチジルパントテン酸 |
研究概要 |
I.有機溶媒系における、脂溶性生理活性物質テルペノイドの酵素的配糖化 先にC_<10>以下のモノテルペンアルコールの配糖化を報告したが、C_<15>以上の長鎖テルペンアルコールの酵素的配糖化は例がない。これら配糖体のなかには天然に見出されているものもある。また、それらの界面活性作用にも興味が持たれる。C_<15>の鎖状セスキテルペノイドであるファルネソ-ル(あるいは、C_<20>の鎖状ジテルペノイドであるゲラニルゲラニオール)と糖を含む50%各種有機溶媒混合緩衝溶液に酵素(Aspergillus oryzae由来のβ-ガラクトシダーゼ、またはア-モンド由来のβ-グルコシダーゼ)を加えて、25℃で48時間撹拌反応後、未反応物を抽出除去し、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離、精製し、構造をNMR(^1H-、^<13>C-)、FAB-MSにより、ファルネシル-β-ガラクトシド、ファルネシル-β-グルコシド、ゲラニルゲラニル-β-ガラクトシドと同定した。 II.フェノール類の配糖化-芳香族水酸基への高率な糖転移反応- 芳香族OH基(CH_2OH基ではなく)への強力な糖転移酵素は知られていない。シクロデキストリン生成酵素をデキストリンとフェノール類の混液に作用させた際、各フェノール類のα-グルコシル配糖体が高効率で生成することをはじめて見出し、α-グリコシルフェノール、α-グリコシルカテコールを単離、同定した。配糖化物は酸化に対してアグリコンより非常に安定であることを明らかにした。 III.有機溶媒系における、水溶性生理活性物質のホスファチジル化-水溶性ビタミンのリン脂質化- ビタミン類(チアミン、パントテン酸、およびそれらの関連物質)の酢酸緩衝溶液に合成レシチンのクロロホルムまたは酢酸エチル溶液、および放線菌由来のホスホリパーゼDを加え、37℃で撹拌反応を行い、生成物をクロロホルムで抽出後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離、精製し、新規脂溶性化合物ホスファチジルチアミン、ホスファチジルパントテン酸、ホスファチジルチアミンプロピルジスルフィド、ホスファチジルフルスルチアミン、ホスファチジルパンテノールエチルエーテルを得た。構造はFAB-MS、NMR(^1H-、^<13>C-)により確認した。
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