研究課題/領域番号 |
05660108
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小幡 斉 関西大学, 工学部生物工学科, 教授 (00067646)
|
研究分担者 |
河原 秀久 関西大学, 工学部生物工学科, 専任講師 (10234105)
|
キーワード | 氷核活性細菌 / 菌体外氷核活性微粒子 / 氷核形成温度 / 氷核形成頻度 / プロテアーゼ / ジアミンオキシダーゼ / Erwinia uredovora / 野沢菜 |
研究概要 |
前年度は氷核活性細菌による菌体外氷核活性微粒子の培養法と分離法について報告した。本年度は精製された菌体外氷核活性微粒子の構成成分であるタンパク質、脂肪、糖、ポリアミン類等が氷核活性にどのような影響を与えているかを検討した。まず、菌体外氷核活性微粒子を種々の酵素(プロテアーゼ、リバーゼ、ジアミンオキシダーゼ、α-マンノシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ)で処理した結果、氷核活性に著しい影響が見られたのはフロテアーゼ、リパーゼ、ジアミンオキシダーゼであった。そこで、まず菌体外氷核活性微粒子のタンパク質をSDS電気泳動で分析した結果、数種のタンパク質が確認されたが、その中の一つは氷核タンパク質で110kDaであることがわかった。他のタンパク質は構成タンパク質であると思われる。今回、ポリアミンが氷核活性に関与していることがはじめて確認されたことから、どのようなポリアミンが氷核活性に関与しているのかを調べた結果、スヘルミジンが氷核活性に関与していることがわかった。しかし、脂質は氷核活性にわずかに関与していることがわかった。糖類の関与は全く認められなかった。 農家の人々の長い間の経験で野沢菜は凍霜害を受けた野沢菜を漬け物にすると旨味が出ると言われている。そこで、菌体外氷核活性微粒子の応用研究として、野沢菜の葉に菌体外氷核活性微粒子を散布して、野沢菜に人工的に凍霜害を受けさせて漬け物にした野沢菜と無散布で凍霜害を受けていない野沢菜と旨味や糖濃度について調べた結果、人工的に凍霜害を受けた漬け物が旨味があり、糖濃度も高いことがわかつた。今後は、食品の凍結剤としての利用も期待できる。
|