研究課題/領域番号 |
05660110
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研究機関 | 熊本工業大学 |
研究代表者 |
新 隆志 熊本工業大学, 工学部応用微生物工学科, 助教授 (50179066)
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研究分担者 |
尾山 廣 熊本工業大学, 工学部, 講師 (50221700)
村尾 澤夫 熊本工業大学, 工学部, 教授 (00081472)
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キーワード | キチナーゼ / Vibrio alginolyticus / キトペンタオース |
研究概要 |
平成5年度は、Vibrio alginolyticus TK-22株の分離と同定及び生産されたキトペンタオース生成キチナーゼの精製と酸素化学的、理化学的諸性質を明らかにした。本年度は、pH4.0と9.0の二ヶ所の至適pHでのコロイダルキチン及びオリゴ糖に対する詳細な反応特異性の検討を行った。酸素反応は0.01Units(蛋白量7.5μg)の酸素を用い、30℃で行った。(1)コロイダルキチン(2.5mg/ml)に対する作用:pH4.0で24時間反応させた場合、GlcNAcが0.015mg/ml、(GlcNAc)_2が0.84mg/ml、(GlcNAc)_3が0.059mg/ml、各々生成した。pH9.0では、24時間反応でGlcNAcが0.13mg/ml、(GlcNAc)_2が0.46mg/ml、(GlcNAc)_3が0.078mg/ml、(GlcNAc)_5が0.13mg/ml、各々生成し、更に、36時間まで反応を続けるとGlcNAcが0.13mg/ml、(GlcNAc)_2が0.34mg/ml、(GlcNAc)_3が0.068mg/ml、(GlcNAc)_5が0.36mg/mと各濃度に変化が認められた。(2)キチンオリゴ糖(1mg/ml)に対する作用:pH4.0で24時間反応させた場合、(GlcNAc)_4は(GlcNAc)_2に、(GlcNAc)_5は(GlcNAc)_2と(GlcNAc)_3に各々分解したが、(GlcNAc)_2、(GlcNAc)_3には作用しなかった。pH9.0では(GlcNAc)_2からGlcNAc、(GlcNAc)_3、(GlcNAc)_5を32.2%、3.3%、1.6%ずつ、(GlcNAc)_4からGlcNAc、(GlcNAc)_2、(GlcNAc)_3、(GlcNAc)_5を11.7%、66.0%、4.6%、15.1%ずつ、また、(GlcNAc)_5から(GlcNAc)_2、(GlcNAc)_3、(GlcNAc)_5を52.1%、45.1%、2.8%ずつ生成した。しかし、(GlcNAc)_3には作用しなかった。以上の結果より、キトペンタオース生成キチナーゼは、pH4.0ではコロイダルキチンをキトビオース単位に分解するが、pH9.0ではコロイダルキチン及び(GlcNAc)_2、(GlcNAc)_4よりキトペンタオースを生成することが明かとなった。また、キチンオリゴ糖に対する作用機作から、pH9.0のみで糖転移反応によりキトペンタオースを生成することが示唆された。
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