研究概要 |
1. これまで真正大豆サポニンとしてDDMP(2,3-di-hydro-2,5-dihydroxy-6-methyl-4H-pyran-4-one)サポニンであるソヤサポニンαg,βg,βa,γgおよびγaの5種類を明らかにした。さらに花豆から新規なDDMPサポニンを発見し、その構造解析を行い、ソヤサポニンαaと命名した。 2. DDMPサポニンが鉄イオンと褐変反応することがわかり、この呈色反応を利用して微細構造を調べた。その結果、DDMPサポニンは種子の発芽部位であるエピコチール(上胚軸)とこれにつながる維管束に極在していることを明らかにすることができた。 3. マメ科におけるDDMPサポニンの分布を調べた結果、ソヤサポニンβgが普遍的に分布していることを明らかにすることができた。さらに未確認のDDMPサポニンを数種類みつけることができ、現在その単離を行っている。そのうち、フジマメからソヤサポニンβgのアグリコンC-28位がアルデヒドになっている新規DDMPサポニンを発見し、ラボラボサポニンと命名した。 4. アピオスの根茎から単離したDDMPサポニンはソヤサポニンβgであることを明らかに、しかも種子同様その発芽部位とそれにつながる維管束に極在していることがわかった。 5. DDMPサポニンのSOD(スーパーオキシドデスムターゼ)様活性を調べた結果、グルタチオンに匹敵する活性がみられ、しかもラボラボサポニンが最も強い活性を示した。6. 過酸化水素、ヒドロオキシラジカル系における微弱発光を調べた結果、DDMPサポニンにも明らかなフォトンを検出することができた。
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