大豆の主DDMPサポニンであるsoyasaponin βgはマメ科植物に広く分布し、小豆等の胚軸部位における未確認DDMPサポニンの存在を明かにすることができた。ハナマメとフジマメの胚軸部位からそれぞれ新規DDMPサポニンを単離して構造を決め、soyasaponin αa、lalab saponin Iと命名した。アピオスの根茎からDDMPサポニンを単離して、機器分析でsoyasaponin βg であることを確認し、その存在部位が発芽部位と維管束であることを明らかにした。DDMPサポニンにグルタチオンに匹敵するSOD様活性がみられ、特にlalab saponin Iの活性が顕著であった。天然ラジカルスカベンジャー標準物質(没食子酸、フラボン酸、アントシアン類およびカテキン類)を用い、活性酸素種(HO・、O_2、H_2 O_2 およびLOOH)-アルデヒド系における微弱発光解析を行った結果、本微弱発光法はラジカルベンジャーの検出法として有効な簡便法であり、これまで未知の世界である水溶液のラジカル反応を追跡することが可能となった。すなわち、X(活性酸素種)Y(ラジカル励起種)Z(ラジカル受容種)を想定することができ、没食子酸は典型的なYであり、DDMPサポニンはZであることがわかった。
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