研究概要 |
大豆種子のグループBサポニンの組成と構造について研究した。大豆から5種類のサポニンを単離し、HPLCの溶出順にソヤサポニンαg、βg、βa、γgおよびγaと名付けた。その構造はソヤサポニンV、I、II、IIIおよびIVのアグリ、コンC-22位にそれぞれ2、3-デヒドロ-2、5-デヒドロオキシ-6-メチル-4H-ピラン-4-オン(DDMP)グループがアセタール結合したものであることを明らかにした。このDDMPが結合したサポニンは大豆の真正サポニンで、抽出時または濃縮時の熱処理で従来のソヤサポニンV、I、II、IIIおよびIVに変化することがわかった。これらDDMPサポニンはマメ科植物に広く分布していることもわかった。アメリカホドイモの根茎にソヤサポニンβgが分布していることもわかった。また新規DDMPサポニンをPhaseolus coccineuBとDolichos lablabから単離し、ソヤサポニンαaとラボラボサポニンIとそれぞれ命名した。これらDDMPサポニンは維管束と発芽部位に極在していることがわかった。 カテキンの活性酸素とアセトアルデヒド存在下における微弱発光を測定した。その結果、フラボノイド、アントシアンおよびカテキンのなかでエピガロカテキン(EGC)が最も顕著な微弱発光を呈した。これら微弱発光Pは活性酸素X、EGCのような触媒種Yおよびアセトアルデヒドのような受容種Zの存在下で〔P〕=K〔X〕〔Y〕〔Z〕(K=フォトン定数)に従うことがわかった。DDMPサポニンはSODの17,1ユニットに相当する活性を示した。典型的なZであることがわかった。しかもグループAサポニンはYであることもわかった。
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