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1.牛乳脂肪球膜(MFGM)の主要糖タンパク質であるPAS‐4に対する単クローン抗体(KAS‐4と命名)を作成し、この抗体と同一抗原性を示すタンパク質をホエー中に見出し、この成分(GP‐88と命名)の特性をPAS‐4と比較した。
2.GP‐88タンパク質は、ホエータンパク質からProteinGおよびKAS‐4でのアフイニティクロマトグラフィーによって単離・精製した。得られたタンパク質はSDS‐PAGEで単一のバンドを示した。またN‐glycanase処理タンパク質の分子量は57KDaと概算された。
3.PAS‐4およびGP‐88の両糖タンパク質をトリフルオロメタンスルホン酸およびN‐glycanaseで処理した後、KAS‐4を用いてイミュノブロットした結果、そのエピトープはペプチドであることが確認された。GP‐88をトリプシンで加水分解したペプチドをHPLCで分画し、ELISAで分析し、KAS‐4のGP‐88に対して正の反応を示す15のペプチドが得られた。そのうち最も活性の高いエプトープを得た。
4.GP‐88含量は泌乳期の進行とともに増加したが、PAS‐4含量は分娩後直後から徐々に減少した。
5.N‐結合糖鎖をヒドラジン分解によってGP‐88から切り出し、糖鎖のサイズの決定、各種のエキソグリコシダーゼによる遂次加水分解、アセトリシス、メチル化分析等により3種の糖鎖の構造を決定した。そのひとつの構造は次の通りである。
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