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1993 年度 実績報告書

蛋白質栄養に由来する増殖シグナルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 05660147
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

金本 龍平  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70147297)

キーワード成長 / ラット / 肝臓 / c-myc / インスリン様成長因子(IGF-1) / 蛋白質栄養 / 初代培養肝細胞
研究概要

本研究は、生体の成長において蛋白質栄養が単に生体材料としてのみではなく、増殖シグナル、あるいはそのモジュレーターとしての機能を有するという仮説を実証しようとするものである。このため成長期のラットを種々の栄養条件で3日間飼育し、増殖関連遺伝子の肝臓での発現変動を検討した。その結果、c-myc mRNA量とインスリン様増殖因子(IGF-1)mRNA量が食餌栄養に鋭敏に反応し変化することが明かとなった。一般にc-myc遺伝子の発現は活発な増殖をしている細胞で高いことが知られているが、成長期のラット(3-4週令)では栄養が悪化し、成長が悪くなるほど肝臓のc-mcy mRNA量は増加することがわかった。次に、無蛋白質食で飼育したラットにカゼイン食を与えるとc-myc mRNAが速やかに減少し、続いてDNA合成の誘導されるが、ツエイン食にはこのような効果はがないことを見いだした。これらのことから現在、栄養条件が悪くなると肝細胞は細胞周期のG1期でアレストされ、その結果c-myc mRNAが蓄積し、G1からS期への進行に蛋白質栄養が関与するものと考えている。一方、インスリン様増殖因子(IGF-1)mRNA量はc-myc mRNA量と相反して変動し、カゼイン食で肝臓のDNA合成が誘導される様な条件で増加した。血中のIGF-1は主に肝臓で合成され、様々な組織の増殖を促進させるものと考えられているが、以上の結果は肝臓の増殖と生体の成長が同調して蛋白質栄養で調節されていることを示唆している。このことは成長期のラットにおいて肝重量の増加と成長が平行しているという事実と一致する。次に、初代培養肝細胞を用いて培地のアミノ酸組成がこれらの遺伝子発現にどのような影響を与えるか検討した。その結果、培地からアミノ酸を欠失させるとc-myc mRNA量が2-3時間後に15倍以上に増加すること、これはmRNAの安定化によることが明かとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 金本龍平: "成長期ラットにおける増殖関連遺伝子の発現変動とタンパク質栄養" 必須アミノ酸研究. 138(印刷中). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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