東南アジアを主に、熱帯での森林再生・造林はタウンヤ法で行われている。そこでは森林再生と農業生産が同時にできるという利点が強調されている。しかし、現実には樹木と作物の競争はきびしく、両者の共存は時にきわめて困難な様相を呈している。タイを主に、インドネシア、ミャンマーなど東南アジアでの造林事業との比較で、わが国で唯一タウンヤ法、いわゆる切替畑・木場作でスギ造林が行われている新潟県山北町の造林作業を比較した。 夏の火入れ作業記録を中心に現地調査を行い、焼畑・火入れの作業手順、その後のカブの播樹種作業について観察・記録することができた。火入れに関する町条例、これまでのタウンヤ法による山北町での造林面積の推移、面積の大きさと参加家族数、さらに、カブの生産、加工、販売、流通について聞き取り調査ができ、山北町でタウンヤ法での造林が絶えることなく、これまで継続してきた背景をかなり把握・理解することができた。また、地表に堆積する落葉・落枝量、すなわち、火入れにより土壌に添加される養分量を推定することができた。 第2年度の研究計画はほぼ予定通り達成できた。得られた成果はとりまとめ中である。最終年度に継続調査を行うとともに、論文として公表、また報告書を作成する。
|