研究概要 |
1.プレカット加工工場に関する基礎資料の収集 林野庁,日本木材・住宅技術センター,全日本木材組合連合会及び全国木造住宅機械プレカット協会等でプレカット加工工場にに関する資料の収集を行った.全国のプレカット工場数は1980年代以降におけるCAD/CAM方式の開発普及によって飛躍的に増加し,現在,約750工場を数え,新設木造住宅に対するプレカット加工材のシェアは15〜20%に高まったとみられている. 2.プレカット資材の品質管理の実態調査 九州地域において優秀なプレカット工場を選定し,事例調査を行った.これらの工場では製材品の品質に関する関心が高く,寸法精度及び曲がりに付いて基準を設け,材料検査で基準以下の製品は交換を要求している.しかし乾燥材に付いては流通量が少ないため,プレカット工場の原料置き場で1〜3カ月の天然乾燥を行っている.人工乾燥機を設置し,柱材を人工乾燥しているが,納材業者にこれらを要求している例はなかった. 3.プレカット資材の流通調査 プレカット資材の納入業者の品質管理は寸法及び曲がりの適正化にとどまり,含水率を管理している工場はない.しかし,プレカット工場がこの点に対する管理を強める傾向にあるので,今後,必要性が増大すると思われる. 4.プレカット加工材の流通構造調査 プレカット加工材の販路は地元建築業者が大半である.しかし,少ないといえ九州外にも出荷されており.受注段階における意志疎通が十分であれば,クレームの発生は少ない.なお,遠隔地出荷の場合の運賃は買い方負担であり,製材品の場合よりも取引条件は有利である.
|