研究概要 |
Acteoside部分構造次4-O-caffeoyl-β-D-glucoseのペルオキシダーゼによる酵素的酸化反応の挙動を調べるために、次の合成スキームおよび反応条件によりActeoside部分構造の合成中間体IXを調製した。 (a)(1)Ac_2O/HClO_4,0-40℃,0.5h;(2)Br_2/redP,10-20℃,4h,86%;(b)CH_2=CHCH_2OH/MS4A/Hg(II)CN_2,50℃,2h,83%;(c)MeONa/MeOH,0-25℃,2.5h,97%;(d)(Meo)_2CMe_2/DMF/TsOH,r.t.,24h,75%;(e)Pyridine/ClCOOCH_2CCl_3,0℃,20h,56%;(f)99%CF_3COOH,0℃,2h,89%;(g)ClCOOCH_2CCl_3/pyridine,0℃,3h,62%;(h)(3,4-di-OAc)PhCH=CHCOOH/2-Chloro-1-methyl-pyridinium iodide/3,4-Dihydro-2H-pyridol〔1,2-a〕pyrimidine-2-one/CH_2Cl_2,6h at r.t.,then 47h at reflux,29%. 化合物Vは、グルコースIを出発物質として反応a〜dで定法によりアセチル化、臭素化、グリコシル化、脱アセチル化およびアセタール化の順で行い、グルコースに対して52%の収率を得た。その構造は、^1H NMR分析でアセトナイド基、アリル基(β位)の存在を確認した。化合物VIは、反応eでTroc基を導入し56%の収率を得、^1H NMR分析で、Troc基のメチレンプロトンは4.71,4.84ppm(各1H,d,J=11.8hz)および4.79ppm(2H,s)に帰属された。化合物VIIは、反応fで89%の収率を得、^1H NMR分析でアセトナイド基の脱離を確認した。化合物VIIIは、反応gで62%の収率を得、^1H NMR分析でTroc基が6位OHに導入されたことを確認した。化合物IXは、反応hで29%の収率を得、^1H NMR分析でカフェオイル誘導体が導入されたことを確認した。今後、化合物IXの収率を改善するために、反応hで用いた酸捕捉剤の替りにトリエチルアミン等の塩基を用いることを検討する。
|