研究概要 |
樹木資源の有効利用法開発法の一つとして、食品や医薬品工業に資する新抗酸化剤を得るべく、アサダ材(カバノキ科)のジアリルヘプタノイドのような約80種の木材抽出成分をテストし、評価した。評価は2つのテスト結果、リノール酸メチル過酸化による生成物量と1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジルラジカルに対するラジカル補足時の吸光度変化量とによった。さらに、抗酸化能と抽出成分の構造との相関関係についても考察した。 テストの結果、トリデオキシアサダニンのようなジアリルヘプタノイドと共に、高い抗酸化能を有する多くの抽出成分の、スチルベン類のオキシレスベラトロールやレスベラトロール、フラボノイドのロビネチン、ミリセチン、ケェルセチン、ジアリルブタノイドのビス-(P-ヒドロキシフェニル)-1、3-ブタジエンが効果的な天然性抗酸化剤として発見され、評価された。 また、抗酸化能と抽出成分の構造との相関関係に関する考察からは、高い抗酸化能を有する抽出成分は、複数の芳香族性水酸基(隣接した水酸基)、芳香環と共役した炭素二重結合(上記スチルベンやブタジエンのように)、C-C直結した芳香環(上記トリデオキシアサダニンのように)などを保有していることが判明した。
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