• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

動物プランクトンの生態学的研究へのケモスタットシステムの導入

研究課題

研究課題/領域番号 05660199
研究機関東京大学

研究代表者

日野 明徳  東京大学, 農学部, 教授 (90012012)

キーワードシオミズツボワムシ / ケモスタット / 餌料密度 / 有機物負荷 / 内的自然増加率
研究概要

(1) システムの制作・調整: 2リットル規模のケモスタットシステムを制作し、培養槽の形状、培養液の移送・撹拌法、バクテリアフロックの付着対策、モニタリング方法について検討を重ねた結果、丸底フラスコを用い、内径1mmのシリコンチューブを通じてペリスタティックポンプで培養液を移送する場合、1日2回の調整下で安定した培養経過を示すシステムを作ることが出来た。なおこの場合、特別の撹拌装置およびフロック除去装置は不要であった。この試作システムについては、ケモスタットの妥当性の指標である安定した培養経過を示すことから、今後ワムシの生態学的数値を得るのに十分な性能のものと言って良い。
(2) ワムシ株間の内的自然増加率の比較: L型およびS型株各1の内的自然増加率を測定したところ、いずれも従来報告されている数値より低い値となった。これは、従来のbatch culture法では、初期設定条件によっては過大評価となることを指適するものである。
(3) 環境条件とワムシ増殖特性: 従来のbatch culture法による研究から報告されている「ワムシの飽食に必要な最低餌料密度」に維持してケモスタットを運転すると、約1000/ml程度を境に、水中の有機物負荷の増大によると考えられるワムシ密度の急落が認められた。一方、培養槽中の餌料密度を上記知見の1/10程度に維持するよう運転すると、ワムシの密度を6000/ml付近に維持することも可能となった。すなわちbatch culture法では、実験条件である餌料密度が経時的に減少するため正しい測定ができず、飽食維持密度を著しく過大に評価していたことになる。この知見は、応用的には、今後濃縮餌料の使用が一般的になると思われるなかで、過大な給餌に対し細心の注意を要することを警告するものである。

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi