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1993 年度 実績報告書

細胞培養・組織培養による海藻の遊離アミノ酸の特異的蓄積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05660232
研究機関三重大学

研究代表者

天野 秀臣  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40024830)

研究分担者 野田 宏行  三重大学, 生物資源部, 教授 (70024825)
キーワード海藻 / 組織培養 / 遊離アミノ酸 / アナアオサ / タマゴバロニア / スサビノリ / 共生バクテリア / ライフサイクル
研究概要

1.無菌組織培養が遊離アミノ酸の蓄積に及ぼす影響:緑藻アナアオサはD-システノール酸、タマゴバロニアはシスチン、紅藻スサビノリはグルタミン酸をそれぞれ全遊離アミノ酸の50%をこえて蓄積する。これらの海藻を無菌で組織培養したところ、D-システノール酸は約10倍に増加した。一方、他種アミノ酸も増加したために、D-システノール酸は全遊離アミノ酸の59.7%を占めるに止まった。シスチンは無菌組織培養をしても著しく増加することがなく、又、他種遊離アミノ酸も特に増えることがなかったために、全遊離アミノ酸に占める割合は45.2%であった。グルタミン酸も50.7%を保っていた。以上の結果から、海藻を無菌培養してもこれからの遊離アミノ酸の蓄積状態にはほとんど変化がなく、遊離アミノ酸の特異的な蓄積には共生バクテリアは関与していないことが確かめられた。
2.ライフサイクルと遊離アミノ酸の蓄積:各種海藻でライフサイクルのステージを追って、アミノ酸の蓄積を調べた。その結果、タマゴバロニアのシスチンは生長期の67.0%から、成熟した細胞では全遊離アミノ酸の14.5%に激減した。スサビノリでは、生長期にはグルタミン酸は50.6%を占めたのに対して、十分に成熟したものでは37%に減少した。さらに、不稔性のアナアオサを用いてそのD-システノール酸含量を通常にみられる稔性のアナアオサと比較したところ、稔性のアナアオサのほうが68.7%まで減少していた。これらの結果から、上記の特定の遊離アミノ酸の蓄積は当該海藻のライフサイクルと密接な関係があると思われ、盛んな生育をするときに蓄積され、成熟の時期に減少することが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hideomi Amano: "Occurrence of free cystine in cell sap of green alga Valonia macrophysa" 日本水産学会誌. 59. 2089 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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