研究課題/領域番号 |
05660251
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
金山 紀久 鳥取大学, 農学部, 講師 (00214445)
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研究分担者 |
仙北谷 康 鳥取大学, 農学部, 助手 (50243382)
笠原 浩三 鳥取大学, 農学部, 教授 (60135837)
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キーワード | ファジィ理論 / 価格予測モデル / 予約取引 / 前日セリ取引 / メンバシップ関数 / 予測精度 / 値決め能力 / 卸売市場 |
研究概要 |
平成5年度では、青果物の価格形成の中心的役割を果たしている中央卸売市場と青果物産地の聞き取り調査を行ない、価格予測に対するニーズについて整理した。また、ファジィ理論の基本的整理とこれまでの価格予測モデルを整理し、ファジィ理論に基づいた月別の年次価格予測モデルのプロトタイプを構築した。 中央卸売市場の聞き取り調査では、先取取引の問題を解消するため予約取引や前日セリ取引が現在試行されるなど、通常のセリ取引にはない新たな価格形成機能を持つことを卸売市場は要請され、青果物の市場搬入以前に、値決めのための指標となる価格の予測が必要になってきていることが明らかとなった。また、仲卸業者の労働力不足や後継者問題から、次第に値決め能力が減退しつつある問題や、大型小売り店の安売り企画に対応するためにも、1か月程度前からの青果物の価格予測が必要とされていることがわかった。産地サイドにおいても作付け決定時における価格予測は必要であるとされるが、今後、さらに価格予測のニーズに関するアンケート調査の取りまとめにより、実用的な価格予測精度について検討する必要があることが指摘された。 ファジィ価格予測モデルでは、パラメータがファジィ数である需要・供給モデルからなるものを構築した。貝体的な品目はブロッコリーで、対象市場は大阪市中央卸売市場本場の月別データをもとに計測された。このプロトタイプモデルによる価格予測のシミュレーション結果から、ファジィ数のメンバシップ関数の形状が予測力に影響を与えることが確認された。また、予測精度はおおむね良好であったが、価格予測区間より大きく外れるサンプルも一部あり、予測精度を高めるためのモデルの改善が必要であることも示された。
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