最上川水系の遊漁場所の利用状況や整備などについて、山形県釣友連絡協議会の協力を得てアンケート調査を277名を対象に実施した。有効回収数は114通であった。また夏期の3日間、アンケート結果で最もよくいく釣り場として挙げられたため池において利用数の調査を行った。その結果、利用の実態・釣りの技法と整備との関係・釣り人の望む整備の内容などが判明した。 また、平成5年度より観測をしているため池の中央部にブイ観測点を設置し、長さ4m方形パイプを縦に水中に設置して、その内部と外部で溶存酸素の測定を行った。パイプは不透明で上下蓋付きのもの、透明で上下蓋付き・下蓋付き・上下蓋無しの4種類である。それぞれのパイプ内部および外部の測定結果を比較することによって、(1)横方向流れの影響、(2)縦方向のDOの移動の状況。(3)プランクトンや藻類の影響について検討した。なお一部は平成6年農業土木学会東北支部大会にて報告した。 さらに今年度、山形県内の水辺環境整備実施地区において聞き取り調査と資料の収集を新たに追加した。事業の実施から管理段階までにおいて、地元住民がどのように係わったかを調べ、管理組織やその形成過程についての関係を考察した。その結果から管理者と事業地区との地理的関係・住民の性格づけ・利用者としての関わり・今後の管理に向けての課題について考察した。
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