研究概要 |
日本の社会を見渡すと、農村部では集落排水事業が盛んに行われているが、温暖化で水不足が叫ばれている.今、農村下水道について考えている,観点を変えると、処理場の建設は水の再生工場の建設を意味している.また、下水処理場には必ず汚泥が発生するが、汚泥は行き場を失っている.昔は下水は農業に利用され自然界と、人間界とを循環して環境悪化をもたらす事はなかった.しかし、現在では下水は農地に還元される事もなく、逆に、環境悪化の一つの原因となってしまった.また、農地には有機物が補給されなくなり、農業生産は化学肥料に頼ったために、地力の減退が大きな問題となっている.そこで、水不足解消のために、処理水を、地力回復のために、汚泥の再利用に関する実験的研究を行った.その結果、処理水は普通の水道水並みに灌漑用水として使える事、汚泥はコンポスト化して使いよくすれば、化学肥料になれた人にでも利用できる事が、肥料価値も高い事などが分かった.勿論、処理水、汚泥を再利用する場合は、環境基準を満足するかどうかの厳重なチェックが必要な事はいうまでもない.
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