研究概要 |
1.分光反射特性を用いた植生の植被率と活性度の分離 従来のリモートセンシング手法では,植生の活性が低下することによるクロロフィルの減少と,芝の植被率の減少によるクロロフィルの減少を識別できなかった。本研究では,室内実験により芝の植被率と活性度を独自に評価できる方法を考案した。また,この方法を野外のソルゴ-圃場に適用し本方法の妥当性を明らかにした。 2.分光反射特性による芝のストレス状態の評価 芝に水ストレスと塩ストレスを与え,ストレスによる芝の生理的変化(クロロフィル濃度,葉内水分量)と分光反射の変化を測定し,両者の関係を明らかにした。また,この結果を踏まえ,分光反射比率を変数とした芝のクロロフィル濃度と葉内水分量の推定式を考案し,これにより芝のストレス状態を評価する方法について検討した。 3.吹走距離の増加に伴うソルゴ-圃場の熱収支の変化 ソルゴ-圃場の卓越風向に沿う3点で熱収支を測定し,吹走距離に伴い熱収支特性が変化するが,40〜70m程度で新しい表面の特性に順応していくことを明らかにした。 4.気象・土壌特性に基づく点滴潅漑用水量に関する実証的研究 Penman修正法に基づく基準蒸発散量,潅漑水量,土壌水分動態,作物収量の関係をキャベツに対する点滴潅漑条件下で測定し,キャベツにおける最適点滴潅漑用水量について検討した。 5.土壌-植物生系における土壌水分動態に関する実証的研究 メキシコ冷涼海岸沙膜地域のアルファルファ農場において,微気象および土壌物理の観測を約1週間実施し,この測定結果を基に,土壌水分動態に関して実証的検討を行った。
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