| 研究概要 |
1.研究目的 この研究は、打撃超音波と横波超音波によって青果物の熟度評価法および空洞果検出法の基礎研究を行い、青果物の内部品質を非破壊評価する方法の基礎を確立しょうとするものである。
2.装置と方法 1)実験装置は、最終的に打撃超音波発生・受信器、ソレノイドハンマ,横波超音波受信子、オシロスコープおよび試料保持台で構成した。2)実験は、スイカについては横波超音波実験と打撃超音波実験を行った。得られた両時間軸波形に対し、専門の品質鑑定人による評価およびBx糖度による破壊評価の結果を比較した。3)マンゴとビワについては横波超音波実験を行った。4)ジャガイモについては、人工的に加工した空洞果の打撃超音波実験を行った。
3.研究成果 1)スイカについては、横波超音波実験の時間軸波形から最大電圧値が空洞果ほど低くなり、98%の正判定率で空洞果を検出できた。また、打撃超音波実験による時間軸波形の最初のピーク値までの立上り時間は、未熟果ほど短く、過熟果ほど長くなるという相関関係が見られた。これらによって、スイカの熟度と空洞の評価が可能になった。2)マンゴの熟度は、時間軸波形の最大電圧値とパワースペクトルのピークエネルギー値との積によって評価できた。ビワの生理傷害果は、樹上における時間軸波形によって評価できる可能性が大きくなった。3)ジャガイモについては、時間軸波形の0から1msまでにおける空洞果の最大電圧値は正常果に比べて小さくなり、空洞果の検出が可能となった。
4.展望 本法によって、青果物の熟度と空洞の評価を実用化できる可能性が非常に高くなった。今後、試験機を試作して実用化研究を行うことが待たれる。
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