本研究では、変形解析システム(実験的手法)と、精密な弾塑性応力解析システム(解析的手法)、ならびに実験結果のデータベースとを結合した検証システムを開発し、農業機械分野における数理解析手法の高精度化を図ることを目的としている。これにより、解析技術の大幅な向上を図る。さらに、このシステムを拡張したハイブリッド有限要素法の開発を試みる。 今年度の主な成果は次の通りである。 1.精密土槽実験装置(現有)による車輪走行実験において土の変形挙動(2次元問題)を精度良く解析するシステムを開発し、土中のひずみ解析を行った。その一部は論文としてまとめた。現在、さらに分析を進めている段階である。 2.これによって得られたひずみ(ひずみ増分)データを用いて応力解析を行うシステムを開発し、すべり率26%の実験結果に適用し、解析可能であることを確認した。 3.このようにして求めたひずみ、応力とけん引力等との関係を分析し、走行現象のメカニズムを探り、現在、投稿準備を進めている。 4.変形解析システムと応力解析システムの統合化を図る検証システムの基本部についての構想を立てた。
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