研究概要 |
ニワトリ・ゲノムDNA(雌)の制限酵素Sau3A I部分消化物とコスミドベクターSuper Cos 1を用いて構築したニワトリ・ゲノムライブラリーのうち約5ゲノム相当(約1.5×10^5)を,2種類のニワトリW染色体特異的反復配列pUGD0601(a 0.7kb unit of the Xho I family)およびpUGD1201(a 1.2kb unit of the EcoR I family)によりスクリーニングしたところ,Xho IファミリーおよびEcoR Iファミリーそれぞれ約900,約600の組換え体よりなるニワトリW染色体特異的遺伝子ライブラリーが作製された.ドットブロットハイブリダイゼーションの結果,約85%の組換え体がW染色体特異的DNAフラグメントを有しており,このライブラリーは全体としてはニワトリW染色体ゲノムの約72%の大きさをカバーするものと推察された. このW染色体特異的コスミドクローンうちXho IファミリーおよびEcoR Iファミリー各々24体について,10種類の6塩基対認識制限酵素BamH I,EcoR I,EcoR V,Hind III,Kpn I,Pst I,Pvu II,Sal I,Xba IおよびXho Iによる部分消化物とSuper Cos 1のshort armおよびlong armとのサザンハイブリダイゼーションによって各クローンの制限酵素地図を作成した.さらに,4塩基対認識制限酵素Hae III,Hinf IおよびMsp Iによる完全消化によって各クローンのDNAフィンガープリントを作成した.これらのデータより,このライブラリーの挿入断片サイズは平均として約40kbであった.またコンティグクローンの検索を試みたところ,Xho Iファミリーにおいて3 islandsまたEcoR Iファミリーにおいて2 islandsよりなる部分的なコンティグマップが作成された.これらのコンティグクローンの大きさは平均して約150kbであり,Xho Iファミリーの約2.2%およびEcoR Iファミリーの約2.7%の大きさをカバーするものと推察され,これは全W染色体の約2.1%に相当するのもと考えられた.
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