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1993 年度 実績報告書

ニワトリ腫瘍由来癌遺伝子誘発腫瘍の発現型と自然発生腫瘍との比較

研究課題

研究課題/領域番号 05660338
研究機関東京大学

研究代表者

中山 裕之  東京大学, 農学部, 助教授 (40155891)

研究分担者 西澤 誠  癌研究会癌研究所, 研究員 (30192248)
後藤 直彰  東京大学, 農学部, 教授 (70011989)
キーワードニワトリ / 癌ウイルス / NK-24 / Fos / MAF / 自然発生腫瘍
研究概要

1.ニワトリ癌ウイルスによる誘発腫瘍
癌遺伝子v-fosを有するニワトリ癌ウイルスNK-24、v-mafを有するAS-42を白色レグホン新生鶏に接種したところ、NK-24接種鶏で、接種後30〜60日後に、腹腔内接種鶏では腹水の貯留と腹腔臓器漿膜の腫瘤を、翼下接種鶏では接種部周囲の皮下腫瘤を認めた。組織学的には、膠原線維の豊富な線維肉腫様部、大型の間葉系細胞増殖部、骨芽細胞様細胞の増殖部、粘液腫様部などが混在していた。抗NK-24抗体を用いた免疫染色では、多くの腫瘍細胞細胞質に陽性像を認め、抗Fos抗体では腫瘍細胞核のほとんどが陽性を示した。また、電子顕微鏡観察では腫瘍細胞の表面や周囲に径約100nmのレトロウイルスC型粒子が認められた。AS-42接種鶏では腫瘍の形成は認められなかった。
2.ニワトリ自然発生腫瘍の検索
約4000羽の廃産卵鶏のうち20羽に腫瘍の発生を認め、このうち15例を病理学的に検索した。腫瘍はすべての例で、卵巣、肝、膵、陽間膜等の腹腔内臓器に発生した。組織学的にはすべて腺癌で、肝のみに発生した一例(胆管癌)を除いて、卵巣または膵臓が原発と考えられた。電子顕微鏡での観察では、粗面小胞体や分泌顆粒の豊富な腫瘍細胞より成る例と、これらの発達の悪い細胞より成る例とがあり、前者は膵由来、後者は卵巣または卵管由来の腺癌と思われた。産卵鶏の腹腔内腫瘍は卵巣または卵管由来であるとする報告があるが、膵原発のものもあることが示された。ウイルス粒子は認められなかった。
これらの腫瘍における癌遺伝子タンパクFosおよびMafの発現をしらべたが、いずれも陰性であった。
以上のことから、癌遺伝子と間葉系腫瘍との関係、産卵鶏の腹腔内腫瘍の特徴が明らかになった。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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