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1993 年度 実績報告書

平滑筋タンパク質の高度有効利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05660383
研究機関北海道大学

研究代表者

森田 潤一郎  北海道大学, 農学部・附属農場, 助教授 (00001470)

キーワード平滑筋 / ミオシン / タンパク質 / 加熱ゲル / ソーセージ / 食肉製品 / 食品化学
研究概要

資源の有効利用という観点から、動物の内臓に由来する平滑筋の、タンパク質食品素材としての有用性を明らかにする目的で、ミオシンの加熱ゲル形成能について研究した。
1.鶏の砂嚢から調製した平滑筋ミオシンの加熱ゲル形成能を、胸筋より調製したミオシンのそれと種々の基本的条件下で比較した。平滑筋ミオシンは、胸筋ミオシンに匹敵するほどの加熱ゲル形成能を有し、ほぼ同様なpH依存性やイオン強度依存性を示したが、胸筋ミオシンよりも高い濃度依存性を示し、アクチンによるゲル強度の増強作用においても顕著な違いが認められた。これらの結果は加熱ゲル形成の機構には両ミオシン間に何らかの差異のあることを示唆し、現在なお研究中である。
2.平滑筋ミオシンをパパインで分解し、頭部と尾部サブフラグメントを調製した。両サブフラグメントの加熱ゲル形成能は元のミオシンのそれと比較して極めて小さいものであった。すなわち、分子内切断を行うことによって、ゲル形成能は著しく低下する。これは平滑筋ミオシンの加熱ゲル形成においても胸筋ミオシン同様分子間の頭部同士や尾部同士の相互作用よりも頭部と尾部の間の相互作用や架橋形成が重要であることを示唆している。
3.平滑筋ミオシンは、その軽鎖をリン酸化すると、低イオン強度においてフィラメントを形成し易くなる。しかし、リン酸化ミオシンの加熱ゲル形成能と非リン酸化ミオシンのそれには大きな差異は認められなかった。一般に、フィラメント状のミオシンは強いゲルを形成すると報告されているが、本研究の結果からフィラメント形成能と加熱ゲル形成能の相関を再検討する必要があると考えられる。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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