研究課題/領域番号 |
05660386
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
木曾 真 岐阜大学, 農学部, 教授 (90092931)
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研究分担者 |
長谷川 明 岐阜大学, 農学部, 教授 (10026429)
石田 秀治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20203002)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | セレクチン / 糖鎖リガンド / シアリル・ルイスX / シアル酸 / スルホ・ルイスX / ガングリオシド / 免疫抑制 |
研究概要 |
(1)白血球細胞接着分子であるセレクチンが認識する糖鎖リガンド構造を分子及び官能期基レベルで追及するために、シアリル・ルイスメガングリオシドキのシアル酸、L-フコース及びセラミド部分に種々の化学修飾を加え、系統的な糖鎖構造要求性の解析を行った。その結果、シアル酸の硫酸基への変換により、全てのセレクチン・ファミリーに対する結合活性が増強されること、一方、天然セラミドは、2-テトラデシルヘキサデシル基(B-30)の様な対象性のある2本鎖アルキル基に置換可能であることが明らかになった。しかしフコース部分の化学修飾により、E及びL-セレクチンに対する結合活性は完全に消失し、P-セレクチンに対しても部分的な減少が見られた。これらの知見に基づき、スルホルイスX3糖エピト-ブに人工脂質であるB-30がβ-グリコシド結合した全く新しい新規機能糖鎖の開発に成功した。この分子は、E-セレクチンに対してCa^<2+>依存性であるが、L-、P-の順にCa^<2+>依存性は減少し、セレクチンの結合サイトには陰イオン性結合サイトとフコースを介するCa^<2+>結合性サイトが存在することを化学的に証明した。この分子は現在抗炎症モデルを使った応用研究に供されている。 (2)ガングリオシドGM_3やGM_4アナログを系統的に合成し、T細胞増殖抑制効果を指標として、免疫抑制機能を検討した。その結果、シアリルα(2→3´)Lacβ(1→1)-OB-30(GM_3アナログ)に顕著な活性が発現された。この機能は、臓器移植などの際に極めて有効であると考えられ、現在医学的応用が試みられている。 これらの糖鎖新機能の発見と開発は、セレクチン研究及びガングリオシドの機能研究を先導する画期的な研究成果であり、今後の応用研究が大いに期待される。
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