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1993 年度 実績報告書

カイコ核多角体病ウイルス遺伝子の構造と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05660388
研究機関名古屋大学

研究代表者

小林 迪弘  名古屋大学, 農学部, 助教授 (60111837)

キーワードカイコ / 核多角体病ウイルス / DNAポリメラーゼ
研究概要

モノクロン抗体を用いてクローニングしたカイコ核多角体病ウイルス(BmSNPV)構造タンパク質p83/p68遺伝子とBmSNPVゲノムから直接クローニングしたDNAポリメラーゼ遺伝子(pol)の全塩基配列を決定し、すでに塩基配列を決定していたウイルス構造タンパク質p40遺伝子と合わせて3種のウイルス遺伝子の構造解析を完了させた。これらの遺伝子のうち、polの発現解析はほぼ完了したが、p83/p68遺伝子とp40遺伝子の発現解析は現在進行中である。
polのopen reading frame(ORF)は、988個のアミノ酸残基からなる分子量114,650のポリペプチドをコードしており、DNA合成反応の種々の過程で機能すると考えられているすべてのアミノ酸保存配列を含んでいた。また、BmSNPV polの転写産物の解析を行ったところ、共通の3'末端をもつ少なくとも6種類の転写産物が発現されることが明らかになった。これらの転写産物のうち5種類はAcMNPVのpolとDNA helicaseにおいて転写開始領域として機能していると考えられている2つのモチーフ(5'-GCGTGCT-3'と5'-AGAGCGT-3')およびその極く近傍から、残りの1種類は本研究において初めて転写開始領域モチーフとして示唆された5'-GGCGGTGG-3'から転写されることが明らかになった。BmSNPV polの感染細胞における転写産物は、感染2時間後に初めて認められ、10時間後に最高値となって、その後減少することから、BmSNPV polは初期遺伝子であると考えられた。また、感染細胞にタンパク質合成阻害剤であるcycloheximideあるいはDNA合成阻害剤であるaphidicolinを処理したところ、前者では転写の遅延が、後者では転写の阻害が認められた。これらの結果は、BmSNPV polはきわめて複雑な機構によって制御されていることを示唆している。BmSNPV polの発現制御機構についての研究も最近開始した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kobayashi,M.and Caeychomsri,S.: "Thermal inhibition of viral disease in the silkworm,Bombyx mori" Indian Journal of Sericulture. 32. 1-7 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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