研究課題/領域番号 |
05670027
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
滝口 励司 昭和大学, 歯学部, 教授 (30085766)
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研究分担者 |
出張 一博 昭和大学, 医学部, 助手 (00146870)
瀬川 和之 昭和大学, 歯学部, 講師 (60146868)
江川 薫 昭和大学, 歯学部, 助教授 (60119162)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | コラーゲン線維 / 線維構築 / 顎骨基質 / 下顎骨 / 下顎頭 / 顎関節円板 / 走査電子顕微鏡 |
研究概要 |
顎骨基質ならびに顎関節円板の立体超微形態学的線維構築を前年度に引き続き観察し,応力との関係および老齢に伴う立体構築の変化を明らかにした. 成体のカニクイザルの下顎体部表面を構成するコラーゲン細線維束の大部分は前後方向に走向していた。表層の細線維束が比較的疎な配列を呈している部位では、走行の異なる細線維束が深層に観察された。骨表層に凹凸の認められる部位では、細線維束の交錯が認められた。オトガイ孔の辺縁部では細線維束は孔を取り囲むように走向していた。下顎骨の正中部および歯槽部表層では細線維束は上下方向に走向していた。このような線維構造は咀嚼圧に対する応力により生じると考えられる。下顎枝部の表層では細線維束は後上方から前下方に走向し、下顎体部との移行部で細線維束の走向の変化が認められた。筋突起の中央部では細線維束は上下方向に走向し、翼突筋窩の表層では細線維束は同心円状に走向していた。下顎骨表層の細線維束の走向は咀嚼筋による外力の方向と歯槽部における咀嚼圧の方向との関係を示唆していると考えられる。 ラット下顎頭関節面では、胎生後期の線維層は線維芽細胞が大部分を占め、細胞間基質の線維は網状を呈していた。1週齢では最表層は密な細線維網で占められ、深層は細線維束で形成されていた。6週齢では最線維網のほかに細線維の小束や前後方向に走向する細線維が認められた。8週齢では細線維網は疎になり、立体的に交錯する細線維束が出現した。成熟および老齢ラットでは、極めて密な網状の細線維塊、回旋、捻転する細線維小束関節面の浸蝕を示唆する細線維の断裂や、細胞の露出の特異的な構造が認められた。
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