研究課題/領域番号 |
05670032
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
星 素 日本大学, 医学部, 教授 (30059290)
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研究分担者 |
堀江 香恵子 日本大学, 医学部, 講師 (30139141)
永田 英二 日本大学, 医学部, 助手 (00102525)
村上 弦 日本大学, 医学部, 助教授 (30157747)
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キーワード | リンパ濾胞 / 胚中心 / 濾胞樹状細胞 / 抗原捕促 / liposome-dmpm / リンパ節 |
研究概要 |
1.リンパ濾胞形成と濾胞形成野における濾胞樹状細胞(FDC)の発生との関係:FDCはimmune complex(IC)を補促する能力をもっている。前年度はアルミナ吸着PHAを局所投与し、所属リンパ節に誘発されてくる新生濾胞におけるIC補促能の発生を検索したが、本年度はヘモシアニンを刺激物質として所属リンパ節にリンパ濾胞を誘発し、濾胞形成野におけるIC補促能を経時的に追跡した。その結果、胚中心をそなえて発生してくる濾胞のうち、新濾胞のあるものは強いIC補促能を発達させること、あるものは弱いIC補促能を発達させた後に消退に向うことが示され、アルミナ吸着PHA投与後の所見と一致する結果がえられた。なお、IC補促能を示す新生濾胞内では、電顕的にFDCが発育していることが確認された。 2.マクロファージを除去することで知られるliposome-dmpmの所属リンパ節に対する作用につき、前年度に引続き実験的観察を行った。このdurgを一側足底に投与した場合、所属リンパ節の構造には殆ど影響を与えないが、両側足底に投与した場合には、両側の所属リンパ節はかなりの程度肥大し、かつ胚中心を欠く一次濾胞が有意に増加した。また両側足底にliposome-dmpmを投与した後、左側にPHAあるいはKLHを投与したところ、同側膝窩リンパ節において顕著な二次濾胞増加が生じるだけでなく、他側のリンパ節においても顕著な一次濾胞増加が生じた。この結果の機因について現在検討中である。 3.局所移入物質と移入リンパ球の一次、二次リンパ節への分布:ラットの上腕・腋窩リンパ節は3〜4個のリンパ節の連鎖から成り、各リンパ節は異なる領域からのリンパを受けるのに対して、マウスでは1個のリンパ節が異なる領域からのリンパを受けている。特定領域に投与されたラベル物質、リンパ球が1個のリンパ節内にどのように分布するのか、リンパ節がどのように反応するのかを観察した。その結果、マウス上腕・腋窩リンパ節は、形態的機能的におおよそ3区に分画されていることが示された。
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