研究課題/領域番号 |
05670034
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
藤田 守 中村学園大学, 大学院・栄養科学研究所, 教授 (60037471)
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研究分担者 |
松隈 美紀 中村学園短期大学, 食物栄養科, 助手 (40259669)
原 孝之 中村学園大学, 家政学部, 助教授 (10164998)
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キーワード | 高比重リポ蛋白 / 肝臓 / 肝細胞 / 腎臓 / 大動脈 |
研究概要 |
血清リポ蛋白の代謝過程を解明する目的で、我々は高比重リポ蛋白(HDL)の細胞内輸送経路に注目し、組織化学、細胞化学、免疫組織化学および超微形態学的方法を用いて検索を行った。 1.ラットまたはウサギの血清より、HDLおよび低比重リポ蛋白(LDL)を生化学的方法を用いて精製した。さらにそれぞれビオチンを結合し、ビオチン化HDLおよびビオチン化LDLを作成した。 2.ラットの門脈にビオチン化HDLまたはビオチン化LDLを投与し、電子顕微鏡を用いて肝細胞における吸収機構および細胞内経路を検索した。ビオチン化HDLはディッセ腔側肝細胞膜の陥入部、小胞、エンドゾームおよびライソゾーム内に反応産物が認められた。ビオチン化LDLも同様の膜系に観察された。これらの結果より、HDLは末梢組織の細胞膜から余分なコレステロールを引出し、逆転送系の経路で肝臓へ運び返され、ディッセ腔側の肝細胞膜に結合し、エンドサイトーシスによって取り込まれ、小胞、エンドゾームさらにライソゾームに運ばれることが示唆された。しかしながら、HDLとLDLは同一の小胞、エンドゾームの膜系によって輸送されるのかについては検討中である。 3.ラットの静脈にビオチン化HDLまたはビオチン化LDLを投与後、腎臓の凍結切片を作成し、光学顕微鏡を用いて比較検討した結果、両者の反応部位に差異が認められた。 4.コレステロール付加食を長期投与し、実験的動脈硬化を作成したウサギにビオチン化HDLまたはビオチン化LDLを投与後、胸部大動脈を採取し、検索した結果、実験群と対称群の内膜においてHDLまたはLDLの分布に差異が認められた。
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