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1994 年度 実績報告書

カルシウムイオンによるヒスタミン遊離の制御機構:培養好塩基球性白血病細胞を用いて

研究課題

研究課題/領域番号 05670081
研究機関愛媛大学

研究代表者

前山 一隆  愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)

キーワードカルシウム / ヒスタミン / 好塩基球性白血病細胞 / サプシガ-ギン / カルシウムチャネル / 抗真菌剤 / 過酸化水素
研究概要

肥満細胞または好塩基球においてはIgE受容体刺激時にヒスタミン遊離が生じ、その結果として蕁麻疹、喘息やときにはアナフイラキシ-・ショックを起こすため、遊離を制御することがこれらの病態の改善に重要である。近年、細胞内情報伝達物質の解明に伴い、IgE受容体刺激後に生じるセカンドメッセンジャーが明らかになってきたが依然として最終反応であるヒスタミン遊離を起こす過程は不明である。イノシトール三リン酸による細胞内Ca貯蔵部位からのCaの動員と細胞外液からのCa流入が細胞内Ca濃度([Ca^<2+>]i)の上昇をもたらすが血球細胞系のような非興奮性細胞においては、電位依存性Caチャネルは存在せず、その流入機構は不明である。本年度はラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3)を肥満細胞のモデルとして、ヒスタミン遊離を増減させる薬物の[Ca^<2+>]iに及ぼす影響を調べることにより、Ca流入機構ならびにヒスタミン遊離機構を検討した。
1.細胞内Ca濃度の測定:単一2H3細胞における細胞内Ca濃度の測定はCa蛍光プローベfluo-3を用いて共焦点レーザー顕微鏡により行なった。細胞外液Ca非存在下、抗原刺激後[Ca^<2+>]iのオッシレーションがみられ、外液にCaを添加すると、瞬時に[Ca^<2+>]iの上昇が認められた。
2.Ca流入機構の検討:イミダゾール誘導体SK&F96365、エコナゾール、ケトコナゾールはCa流入ならびにヒスタミン遊離を抑制した。
3.過酸化水素は抗原ならびにサプシガ-ギン刺激により生じるCa流入ならびにヒスタミン遊離を100μM以上で用量依存性に抑制した。
2、3のヒスタミン遊離の抑制作用は、Ca流入が生じない脱分極状態でも認められた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ali.H.: "Autgen and thapsigargin promote influx cf Ca^<2+> in rat basophilic RBL-2H3 cells by ostensibly similar mechanisms that allow filling of inositol 1,4,5-trisphosphate-sensitive and mitochonorial Ca^<2+> stores." Biochem.J.304. 431-440 (1994)

  • [文献書誌] 前山一隆: "非興奮性細胞におけるCa流入機構:ラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3)を用いて" 愛媛医学. 13. 199-205 (1994)

  • [文献書誌] Sugimoto,K.: "Mast cell-deficient(Ws/Ws)rats: histamine content,histidine decarboxylase activity,and effects of(S)α-fluoromethylhistidine." J.Neurochem.(in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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