ウシ副腎皮質束状層においてエンドゼピンが発現していることをPCRを用いて証明した。さらに、GSTとエンドゼピンの間にFactorXで認識切断されるアミノ酸配列をコードする核酸配列を持つ融合タンパクを発現するプラスミドを作成した。このプラスミドを大腸菌(HB101)にトランスフェクトし、融合タンパクを得た。融合タンパンをグルタチオンカラムで精製し、さらにFactorxでGSTとエンドゼピンに分離した。 つぎに、この融合タンパクを用いてモノクローナル抗体を作成した。マウス5融合タンパクを腹腔内注射し、免疫したところ、融合タンパクに対する抗体がすべてのマウスで確認された。これらマウス脾臓から免疫細胞を取り出し、マウス骨髄細胞種とハイブリドーマ細胞を作成し、GSTには反応せず、融合タンパクには反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを限界希釈法にて分離した。エンドゼピン代謝産物が現在入手できないので、エピトープ検索までには至っていない。 また、エンドゼピンを用いて副腎皮質における生理活性を検討した。ラットにデキサメサゾン処理し、内因性ACTH分泌を抑制し、ACTH(0.5IU/rat)およびサイクロヘキシミド(10mg/rat)で処理した。これによりコレステロールが副腎皮質ミトコンドリア外膜に蓄積し、ステロイドホルモン産生の基質として利用やすくなる。このミトコンドリアに大腸菌に産生させたエンドゼピンを添加したところ、濃度依存的にプレグネノロン産生を促進した。 これからはさらにエンドゼピン代謝産物で生物活性が証明されているデスエンドゼピン、TTN(Triakontatetraneuropeptide)やODN(Octadecaneuropeptide)なども大腸菌に発現させ、先のモノクローナル抗体のエピトープ検索や生物活性などを検討したい。
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