研究課題/領域番号 |
05670155
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
三田 隆 産業医科大学, 医学部, 教授 (20076988)
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研究分担者 |
大森 治 産業医科大学, 医学部, 助手 (70248558)
笛田 由紀子 産医大医療短大, 助手 (10132482)
平野 英保 産業医科大学, 医学部, 講師 (50040241)
OHMORI Osamu Sch.of Medicine Assistant (70248558)
OHMORI Osamu Sch.of Medicine Assistant (70248558)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | てんかん遺伝子 / RFLP / cDNA / Elマウス / 制限酵素 / Naイオンチャネル / Isocitrate dehydrogenase / S-Adenosylhomocyteine hydrolase |
研究概要 |
現在までに、我々は生後一日目の脳・肝mRNAから作成したcDNAライブラリーの中から、親株のddYと、ElマウスのそれぞれのゲノムDNAにPstI-RFLPを得るcDNA断片を得るのに成功した。このcDNA断片は、Elマウスの成長途上で発現した異常mRNAから由来したものであり、そのシーケンス解析からS-Adenosylhomocysteine hydrolasegeneであることが分かった。現在ElマウスゲノムDNAについての突然変異箇所とヒトゲノムDNAについて解析中である。また、ddY及びElマウスの脳シナプトソーム蛋白質の2次元SDSゲル電気泳動で、同じ分子量であるがIPの異なる蛋白質を検出した。その蛋白質を分離し、シーケンス解析を行ないisocitrate dehydrogenaseであることを明らかにした。さらに、Naイオンチャネルについて、Elマウス脳はddYに比較して過剰に合成することを明らかにすると共に、抗てんかん薬フェニトイン投与に対して特徴あるdelayed up-regulationを示すことを報告した。これらの事実は、Naイオンチャネル遺伝子になんらかの変異のあることを示唆しており、特に、転写調節の異常機構解析に興味が持たれる。 てんかんは3大精神病の一つであるが、その原因遺伝子は現在世界中での努力にかかわらず報告されていない。本研究はその原因遺伝子を単離することを目的として平成5年度から6年度にかけて行なわれたものである。われわれは、日本で発見され、世界的にヒトてんかんのモデルと認められている遺伝性てんかんElマウスを用い、我々の見つけた異常発現のmRNAと、てんかん脳で確認されるシナプトソーム異常蛋白質、そして過剰合成のNaイオンチャネルの3点から、てんかんの原因遺伝子を分離することを試みた。しかし最終的にはヒトてんかん遺伝子分離が目標である。
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