研究課題/領域番号 |
05670156
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
渡辺 紀久子 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究員 (90211672)
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研究分担者 |
鈴木 登志子 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 第2研究部, 研究助手
遠藤 和夫 京都大学, 大学院博士課程
早石 修 財団法人大阪バイオサイエンス研究所, 研究所長 (40025507)
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キーワード | プロスタグランジン / 酵素学 / 遺伝子操作 / 部位特異的変異 / 活性部位 |
研究概要 |
PGF合成酵素は分子量約37,000の単一鎖の単純蛋白質で広い基質特異性を示し、NADPH存在下にケト基を有するPGD_2やカルボニル化合物を還元するだけでなく、エンドパーオキサイド基を有するPGH_2をも還元すること、さらにその一次などを申請者らは明らかにしてきた。本酵素の活性部位を明らかにするために本年度は、C末端側のペプチドの役割を明らかにし、また55Tyr、117Hisの役割を明らかにした。 本酵素のcDNAを用い、C末端側より7アミノ酸残基削除したもののPGD還元活性は約80%低下したのに対し、PGH還元活性は約80%残存した。さらに15アミノ酸残基削除したものは、両活性とも約95%失活した。これらの結果より、本酵素の二つの基質であるPGD_2とPGH_2は他の異なる活性部位か、あるいは結合部位、結合の仕方が異なるものと思われ、C末端側の7アミノ酸残基はPGD還元活性部位の構造の保持に重要な役割を果たしていると思われる。 さらに部位特異的変異を用いて55Tyr、117HisをそれぞれPhe、AspかAsnに変異したところY55F変異体はPGD還元活性、PGH還元活性ともに測定限界以下にであった。一方、H117NはPGH還元活性のみ1.7%残った。このことは55Tyr残基は両基質の活性部位に関与していると思われる。 以上の結果、PGDおよびPGHの活性部位は全く異なるところにあるのではなく、共通しているが基質の結合の方法が異なるものと思われる。
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