研究課題/領域番号 |
05670157
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
須田 貴司 財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (70250090)
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研究分担者 |
長田 重一 財)大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 部長 (70114428)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | Fasリガンド / Fas / アポトーシス / 自己免疫疾患 / 細胞傷害性 T細胞 / gld突然変異 / cDNAクローニング / 染色体遺伝子マップ |
研究概要 |
FasはTNF受容体と類似のI型膜貫通蛋白質で、特異抗体との反応により細胞死(アポトーシス)を誘導する。本研究では、Fasを受容体とする細胞死誘導因子(Fasリガンド;以下FasL)の同定とその遺伝子の単離を目指し、以下の成果を得た。1.マウスFasの細胞外部分とヒトIgGlのFc部分からなる可溶性キメラ蛋白を調製し、これを用いてCTLハイブリドーマPC60-d10S(以下d10S)細胞上のFasLを同定した。2.d10Sのサブラインより、細胞死誘導活性をもつFasLを分子量40kDの膜糖蛋白質として精制した。3.d10SサブラインのcDNAライブラリーよりラットFasL cDNAを単離し、FasLがTNFファミリーに属するII型膜蛋白質であることを示した。4.このcDNAをプローブとして、ヒト及びマウスFasL染色体遺伝子を単離した。さらにヒト末梢血リンパ球及びマウス脾細胞のConAブラストのmRNAよりリバースPCR法でcDNAを作製した。5.ヒト及びマウスFasL遺伝子は、いずれも第1染色体の相同領域存在することを示した。6.この領域にはマウスgla突然変異がマップされていたが、野性型及びglaマウス由来のFasLcDNAを比較し、glaはFaSL遺伝子の点変異による機能欠損型突然変異であることを示した。我々は以前、lprマウスがFas遺伝子の突然変異体であることを示したが、両突然変異でT細胞の発生異常によるリンパ腫と自己免疫疾患を引き起こすことから、FasLは自己反応性T細胞の除去の過程で重要な働きをしていると考えられる。7.マウスFasL mRNAは、臓器ではリンパ系器官(胸腺、脾臓、リンパ節)及び肺、小腸、精巣で、また長期継代培養細胞株ではT細胞系統の細胞で特異的に発現することを示した。8.ヒトまたはマウスのFasLを発現させた細胞は、ヒトまたはマウスのFasを発現させた細胞を同等に傷害した。すなわち、ヒト、マウス間で、Fas/FasL相互作用に種特異性が存在しないことを示した。
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