• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

ヒト胃癌の多段階進展における前癌病変および初期変化に関する分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05670173
研究機関鳥取大学

研究代表者

伊藤 久雄  鳥取大学, 医学部, 教授 (60127610)

キーワードヒト胃癌 / 前癌病変 / 分子病理学 / 染色体異数性 / FISH法 / アポートシス / 癌遺伝子産物
研究概要

Fluorescence in situ hybridization(FISH)法による7番、17番染色体異数性に関する検討を行った。まず、胃癌培養細胞株MKN-7とTMK-1細胞の核型分を行ったところ、7番染色体は両者ともdisomy、17番染色体数は前者でdisomy、後者ではtrisomyであった。そこで、新鮮培養細胞およびヌードマウス皮下移植後にホルマリン固定パラフィン包埋し、FISH法をおこなった。17番染色体に関しては、MKN-7は大部分が2個、TMK-1は3個のスポットが見いだされ、核型分析の結果とよく一致した。しかしながら、ホルマリン固定が5日間の標本では蛍光シグナルの見いだされない細胞が約25%となった。従って、FISH法は適切な固定が施されている限り、パラフィン包埋ブロックを用いた検索が可能であることが示された。
次に、ヒト胃癌10症例のパラフィン包埋ブロックから細胞を単離し、7番および17番染色体数をFISH法で検討した。9例では7番、17番ともdisomyである癌細胞が優位であった。乳頭状腺癌の1例では7番染色体シグナルが3個以上を示す癌細胞が57%に見いだされた。なお、4症例では原発巣とリンパ節転移巣における染色体シグナル数を比較したが、有意の差はなかった(投稿中)。
萎縮性胃炎、腺腫、胃癌におけるアポートシス細胞の可視化に関する基礎的検討を行った。アポートシス細胞はヌクレオソームがランダムに切断されている。そこで、断片化したDNA 3'末端にビオチン標識したデオキシヌクレオチドをTdTに付加する反応を利用した(TUNEL法)。胃癌では低分化腺癌より高分化腺癌においてアポートシス細胞の比率が有意に高かった(投稿中)。現在、萎縮胃粘膜および腺腫におけるアポートシス細胞の発現について検討を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 安達裕宜: "ヒト胃癌培養細胞株を用いたFISH法の基礎的検討" 消化器癌の発生と進展. 5. 367-370 (1993)

  • [文献書誌] Ito H.: "Gastric Cancer" Springer-Verlag, 446(17) (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi