研究概要 |
1.ホジキン病における多核巨細胞(Reed-Sternberg巨細胞)について、各種分化抗原および増殖関連抗原の検討を行った。その結果以下の傾向が明らかとなった。 1)LP,nodular型ではCD20^+,15^-,30^+,43^-,45RO^-,45^-でPCNA^+のR-S巨細胞が主体をなし,表現型の上ではCD20^+の点で他の型のホジキン病と異っている。 2)NS,MC,LD型では、CD15^+,30^+,45^-,PCNA^+が共通の所見として認められるが、CD20,43,45RO,S-100,EMA,Lysozymeなどの表現は症例により著しい相違が見られ,きわめて未熟な細胞の腫瘍化が示唆された。 3)CD30,PCNAの表現は多核巨細胞がpolyploid mitosisを示す細胞だけでなく、小型のリンパ球様細胞にも認められ、これらの細胞が一連の腫瘍細胞であり、endomitosisを介して形態変換をする可能性が考えられた。 2.骨髄巨核球にはCD30は陰性であったが、腹水中の反応性中皮の多核巨細胞にはCD30の表現が認められ、CD30と細胞の巨大化の間に関連があることが示唆された。
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