• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

アルコールによる膵線維化の病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 05670183
研究機関順天堂大学

研究代表者

須田 耕一  順天堂大学, 医学部, 教授 (80090596)

研究分担者 塚原 宗俊  順天堂大学, 医学部, 助手 (80245696)
キーワード慢性膵炎 / 膵線維化 / アルコール依存症
研究概要

アルコール依存症(ADS)41剖検例、慢性アルコール中毒(CA)53剖検例、および慢性アルコール性膵炎(CAP)31例について膵線維化の分布を検索した。その結果、膵の線維化はADS41例中30例に、CA53例中20例に、またCAP31例中全例に線維化がみられ、それらは小葉間(PS)と小葉内線維化(IS)に大別された。すなわち、ADSではPS7例、IS23例、CAでは各10例づつであった。また、CAPはいずれも基本的にPS patternを示した。
小葉間線維化はびまん性または散在性に分布し、残された小葉は比較的健常であった。蛋白栓・膵石併存例では小葉内にも線維化が分布するものが多く、また小葉内の線維化の幅が広くなり、最終的に膵組織が線維で置換された。これに対し、小葉内線維化は主として腺房周囲性にびまん性な線維化がみられ、進行例では線維化と腺房の萎縮が増強するものの実質組織が完全に線維に置換されることはなかった。このことより小葉間線維化と小葉内線維化は病態・成因が異なると考えられた。また、前者は慢性アルコール性膵炎臨床診断例に一致し、後者は肝硬変症を併存するものに多かった。
アルコールによる肝硬変と慢性膵炎(線維化)の併存性については議論があり結論が得られていないが、今回、膵の線維化の分布を小葉間と小葉内に分けることにより、前者に肝硬変の併存が少なく、後者に多いという傾向がつかめた。以上より、アルコールによる肝硬変と慢性膵炎は併存が少ないと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 須田耕一: "膵におけるprolyl hydroxylaseの免疫組織化学的検討" 日本消化器病学会雑誌. 90. 1721 (1993)

  • [文献書誌] Koichi Suda: "Pancreatic fibrosis in patients with alcoholic dependence syndrome" Arch Pathol Lab Med. 117. 1013-1016 (1993)

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi