研究概要 |
TNP化ovalbumin(TNP4.7-OA)を陽性荷電化(PI>10)した後精製し,単量体の陽性荷電化TNP4.7-OA(MW<60 kDa)を得た。この精製陽性荷電化TNP4.7-OAと非精製陽性荷電化TNP4.7-OAを、ラットの左腎動脈から灌流した。対照群として、精製非陽性荷電化TNP5.0-OAを投与した。経時的に腎を採取し、凍結切片作製後、FITCラベル抗TNPならびに抗OA抗体により、抗原の局在を観察した。精製陽性荷電化TNP4.7-OAの腎内局在では、抗原投与後36時間までは、腎尿細管基底膜(TBM)ならびにBowman〓への局在を示したが、72時間目ではその沈着性は減少した。一方、非精製陽性荷電化TNP-OAの局在では、TBNならびにBowman〓への局在を示したが、糸球体基底膜ならびに尿細管周囲毛細管基底膜への沈着性を伴った。対照群では、抗原は尿細管上皮胞体内に顆粒状に陽性を示したが、TBMやBowman〓への沈着はなかった。ハプテン特異的過敏性間質性腎炎の誘導実験では、未だ期待すべき病像は得られていない。
|