研究課題/領域番号 |
05670213
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
阿部 賢治 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 主任研究官 (60130415)
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研究分担者 |
小島 朝人 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 室長 (30100077)
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 部長 (50012779)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス遺伝子 / 感染実験 / Nested RT-PCR法 / パラフィン包埋病理検体 / ウッドチャック |
研究概要 |
本年度は、本研究の目的の一つであるチンパンジーに代わるC型肝炎ウイルス(HCV)感受性動物開発のための基礎的検討を行った。方法は、カクニイザル、赤毛ザル、ミドリザル、日本ザル、ドグエラヒヒの各種霊長類とヘパドナウイルス感受性動物であるウッドチャックを用いて感染実験を行った。接種材料はチンパンジーに感染性を有すことが知れたHCV陽性血清を用いた。接種後は、約半年間にわたり経時的に採血と肝生検を行いnested RT-PCR法によるHCV-RNAの検出、HCV関連抗体、肝機能および肝の病理学的検索を行った。結果は、これらの動物ではHCVの感染成立を認めることができなかった。このことから、HCVの宿主域は極めて限定されているものと思われた。今後も検討を加えていきたい。以上の成績に加えて、ホルマリン固定パラフィン包埋肝組織からのHCV-RNAの高感度検出法を確立することに成功した。この方法を用いて、ここ10年間に発生した日本人肝癌組織におけるHCV-RNAの検出を試みた結果、約70%に陽性所見が得られ、HCV感染と肝癌発生の深い関係が立証された。
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