研究課題/領域番号 |
05670213
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
阿部 賢治 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 主任研究官 (60130415)
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研究分担者 |
小島 朝人 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 部長 (30100077)
倉田 穀 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 部長 (50012779)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | C型肝炎 / C型肝炎ウイルス / チンパンジー実験 / Nested RT-PCR法 / HCV抗体 / パラフィン包埋組織 / 感染実験 / 感染パターン |
研究概要 |
HCVのチンパンジー感染実験より、急性期における血中のウイルス核酸および関連抗体の経時的推移を観察した結果、その感染パターンの特徴を明らかにすることができた。即ち、nested RT-PCR法による血中HCV-RNAの動態から、三群に大別することができた。つまり、一過性感染で終わる群(一群)、持続陽性となる群(二群)そして間欠的にウイルス血症を起こしながらもキヤリアへ移行する群(三群)である。現在までにHCVキャリアとなったものが、11/16(69%)にも及んでおり、その高い移行率が注目された。また三群において、ウイルス血症を示さない時期であっても、肝組織内には、HCV-RNAが検出されるものがあった。これに対し、免疫応答からみたC型肝炎の感染パターンは複雑であった。またチンパンジーでは、HCVコアに対する反応が悪かった。更に同一HCV株を接種したチンパンジーで検討した結果、その感染パターンはまちまちであった。このことから、C型肝炎の感染様式は、ウイルス型よりも宿主側の要因が大きいものと思われた。 以上の成績に加えて、ホルマリン固定パラフィン包埋肝組織からのHCV-RNAの高感度検出法を確立することに成功した。この方法を用いて、ここ10年間に発生した日本人肝癌組織におけるHCV-RNAの検出を試みた結果、約70%に陽性所見が得られ、HCV感染と肝癌発生の深い関係が立証された。
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