正常1番染色体短腕34-36領域の移入によりヌードマウスにおける造腫瘍性が抑制された移入細胞と、移入領域の一部の欠失により造腫瘍性が再発現したリバータント細胞からグアニジウムチオシアネート法により全RNAを調整し、さらにオリゴ(dT)セルロースカラムによりポリA付加mRNAを調整した。リバータント細胞から調整したmRNAをologotex-dT30にアニールし、(dT)_<30>をプライマー、mRNAを鋳型としてAMV逆転写酵素によりologotex-dT30上でcDNAを合成した。熱変性後遠心により上清画分のmRNAを除き沈殿画分のcDNA-oligotex-dT30に正常1番染色体移入細胞から調整したmRNAを加えハイブリッドを形成させ、遠心によりcDNA-oligotex-dT30とハイブリッドを形成した共通のmRNAを除いた。この繰り返しにより濃縮した1番染色体移入細胞特異的mRNAを鋳型として、XbaIプライマー-アダプターを用いて1本鎖cDNAを合成し、大腸菌RNaseHとDNAポリメラーゼIにより2本鎖cDNAを合成した。SalIアダプターを付加した後XbaIで消化してBluescriptIIのクローニング部位に挿入し、大腸菌にトランスフェクトしてライブラリーを作製した。現在移入細胞とリバータントのcDNAをプローブにしてデファレンシャルハイブリダイゼーションを行い1番染色体移入細胞に特異的な遺伝子クローンの選別を行っている。
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