研究課題/領域番号 |
05670238
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
浅井 隆志 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50175163)
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研究分担者 |
三浦 恵 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (60157427)
奥沢 英一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20177166)
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キーワード | 寄生虫 / 原生動物 / トキソプラズマ / NTPase / cDNA / シグナルペプタイド |
研究概要 |
トキソプラズマに特異的に存在するNTPaseは強毒株であるRHの場合、二種類のアイソザイム(NTPase-I,NTPase-II)が存在することが判明しているが、ラムダgt10ファージトキソプラズマcDNAライブラリーよりやはり二種類のcDNAクローンが得られた。この二種類のcDNAの全塩基配列を決定したところ、両遺伝子とも628個のアミノ酸をコードするオープンリーデイングフレイムを含むことがわかった。精製した二種類のアイソザイムのN-末端のアミノ酸配列と遺伝子の塩基配列より推定されるアミノ酸配列を比較したところ、遺伝子がコードする628個のアミノ酸のうち25個はエクストラペプタイドであることが判明した。このエクストラペプタイドは疎水性アミノ酸が多くシグナルペプタイドと思われる。したがってNTPaseは分泌性蛋白質である可能性が極めて高い。遺伝子の発現を行う場合このことを考慮しなければいけないと考えられる。 一種類のアイソザイム(NTPase-II)しか持たないBeverly株のcDNAライブラリーを作製することに成功し、NTPaseをコードする遺伝子をクローニングした。全塩基配列を決定しRH株アイソザイムの二つの遺伝子の塩基配列と比較したところ、Beverly株の遺伝子の塩基配列はRH株の一つの遺伝子の塩基配列とほぼ同一であった。やはり25個のアミノ酸からなるエクストラペプタイドが余分にコードされていた。またコンピューターによるホモロジー検索の結果、NTPaseは新規の蛋白質であることがわっかった。以上のことから、診断上最も重要などの株にも共通に存在するNTPase-IIの遺伝子の塩基配列が判明した。
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