• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

細菌感染防御における免疫系と神経系のネットワーク

研究課題

研究課題/領域番号 05670245
研究機関北海道大学

研究代表者

中根 明夫  北海道大学, 医学部, 助教授 (30164239)

キーワードリステリア / ロドコッカス / 神経ペプチド / サブスタンスP / VIP / マウス / 感染 / 細菌
研究概要

細菌感染防御における免疫系と神経系の相互作用を知るために、今年度は、神経系の指標として神経ペプチドの発現について検討した。神経ペプチドの中から、これまでの報告で免疫賦活に働くとされているsubstanceP(SP)と、逆に免疫抑制に働くとされているvasoactive intestinal peptide(VIP)に対する抗体を用い、リステリア菌(Listeria monocytogenes)およびロドコッカス菌(Rhodococcus aurantiacus)感染マウスの各臓器について、免疫組織化学的染色法により、SPとVIPの発現を検討した。非感染正常マウスでは、肺、脾臓、腸管の神経叢でSP、VIP共に検出されたが、肝臓では検出されなかったので、肝臓を中心に検討を行った。マウスに高感受性のリステリア菌を感染させた場合、肝臓において、免疫抑制作用を示すとされるVIPの発現が誘導されたが、SPは検出されなかった。一方、マウスにおいて病原性はほとんど示さないロドコッカス菌を感染させたマウスの肝臓では、免疫賦活作用を示すことが報告されているSPの発現が認められたが、VIPは検出されなかった。このように、同じ細菌感染系においても、SPとVIPはその発現様式が異なること、また、これらの神経ペプチドは、その発現部位からすると、免疫担当細胞から産生されている可能性も示唆された。今後、主としてリステリア感染系を用いて、VIPをはじめとする神経ペプチドの発現機構およびその感染防御あるいは病態形成における関与を免疫応答のメディエーターであるサイトカインとの相互作用を中心に検討していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Akio Nakane: "An anti-CD3 monoclonal antibody protects mice against a lethal infection with Listeria monocytogenes through induction of endogenous cytokines" Infection and Immunity. 61. 2786-2792 (1993)

  • [文献書誌] Misako Asano: "Endogenous gamma interferon is essential in granuloma formation induced by glycolipid-containing mycolic acid in mice" Infection and Immunity. 61. 2872-2878 (1993)

  • [文献書誌] Masashi Kohanawa: "Endogenous gamma interferon produced in central nervous system by systemic infection with Theiler's virus in mice" Journal of Neuroimmunology. 48. 205-212 (1993)

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi