研究概要 |
マウスCD45遺伝子のalternative exon 4,5,6に依存したCD45の細胞外ドメインの構造を認識するCD45RA,CD45RB及びCD45RC抗体を用いマウスの脾臓T細胞におけるこれらのエピトープの分布を調べた。その結果CD4陽性T細胞がCD45RC^+とCD45RC^-の二つの亜集団に分けられることが明らかになった。この2つのCD4陽性T細胞をsortingによって分画しその機能の違いを検討した結果、CD3を介した刺激に対しCD4^+CD45RC^+分画は主にIL-2産生を示す細胞であり、それに対してCD4^+CD45RC^-分画はIL-2産生は低いがIL-4の産生が認められる細胞を含むことが示された。現在CD45RCの発現がTh1とTh2の二つの機能的なCD4陽性T細胞サブセットに対応したものであるのか、あるいはnaiveCD4陽性T細胞からmemoryCD4陽性T細胞への成熟過程に対応しているのかについて詳細に検討を加えている。 骨髄の初期B細胞分化の過程においてCD45RA,CD45RB,CD45RCの発現のプロセスが異なっていることが認められた。骨髄細胞がB細胞系の分化マーカーである6B2とsurface IgM発現によってpro B細胞を含む分画(6B2^-sIgM^-),pre B細胞(6B2^+sIgM^-)、pre-matureB細胞(6B2^+sIgM^+)およびmatureB細胞(6B2^<++>sIM^+)の4つの分画にわけ、それぞれの分画の細胞のCD45Rエピトープの発現を検討した。その結果、CD45Rエピトープはpre B細胞でCD45RC,CD45RA,CD45RBの順序で発現し、B細胞の成熟過程にしたがって、その発現量が顕著に増加していることが示された。現在CD45Rエピトープのdifferentialな発現がどのようなmRNAのalter-native splicingに対応しているか、どのような機能的な成熟過程に対応しているかについて詳細に検討している。
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