研究課題/領域番号 |
05670309
|
研究機関 | 桐蔭学園横浜大学 |
研究代表者 |
西村 裕之 桐蔭学園横浜大学, 工学部・材料工学科, 教授 (60189313)
|
研究分担者 |
白井 俊一 順天堂大学, 医学部, 教授 (30115860)
|
キーワード | CD45 / CD45RC / CD4陽性T細胞 / サイトカイン / Th1 / Th2 / alternative splicing / (NZB×N2W)F_1 |
研究概要 |
今年度はマウスにおいてCD45のalternative exonの発現がどのようなCD4陽性T細胞の機能と対応するか、またCD4陽性T細胞の機能異常とCD45のalternative exonの表現との関係について研究を進めた。我々はすでにマウスの脾臓CD4^+T細胞がCD45のalternative exon 6の表現(CD45RC)について陰性と陽性の2つの分画を含む事を明らかにした。マウスのCD4陽性T細胞のサブセットについては、in vitroで樹立されたT細胞クローンの解析結果に基づいて、未熟なThP、ThO細胞、成熟したTh1、Th2細胞などのサイトカイン産生の異なるサブセットがあると考えられている。そこでCD45RC^+とCD45RC^-の2つのCD4陽性T細胞亜集団の機能をこれらのTh細胞のカテゴリーとの関係に関連して検討し、以下の結果を得た。 1.CD45RCの表現とCD4陽性T細胞のサイトカイン産生パターンには明確な対応がある。 CD45RC^-CD4^+細胞は低い密度の固相化CD3抗体に鋭敏に応答して高いIL-2産生を示し、IL-4、IL-10およびγ-IFNは産生しない。従ってこの細胞は未熟なThP細胞に対応すると考えられる。 CD45RC^-CD4^+細胞は、刺激に高い密度の固相化CD3抗体を要し、IL-2産生は低いが、IL-4、IL-10およびγ-IFNの産生を示し、Th1、Th2あるいはその両者の性質をあわせもつThO細胞を含むと考えられる。 2.CD4陽性細胞上におけるCD45RCの表現はリンパ球のhoming receptorであるL-selection分子の表現と相関しており、CD3を介した刺激対する応答のaccessory細胞依存性と対応する。 3.CD45RC表現レベルのきわめて高い少数のCD4陽性T細胞亜集団が存在する。これはin vivoで自然に抗原刺激を受けた細胞と推定される。 自己免疫疾患モデル(NZB X NZW)F1マウスにおいては加齢にともない、CD45RC^+T細胞亜集団が消失し、CD45RC^-細胞のみとなる。この異常なCD4陽性T細胞サブセット構成は、このマウスのCD4陽性T細胞機能異常に対応している。
|