研究課題/領域番号 |
05670309
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 桐蔭学園横浜大学 (1994) 順天堂大学 (1993) |
研究代表者 |
西村 裕之 桐蔭学園横浜大学, 工学部・材料工学科, 教授 (60189313)
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研究分担者 |
白井 俊一 順天堂大学, 医学部, 教授 (06404024)
TSURUI Hiromichi Department of Pathology, Juntendo University, School of Medicine
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | CD45 / CD45R / alternative splicing / CD4陽性T細胞 / CD8陽性T細胞 / B細胞 / 分化 / サブセット |
研究概要 |
マウスのリンパ球の各サブセットにおいてCD45の3個のalternative exon(exon4,5,6)の発現がどのような制御を受け、どのようにリンパ球の機能と対応しているかに関して検討した結果、以下の結果を得た。 (1)B細胞:骨髄B細胞の発生過程で、CD45RA(exon 4)及びCD45RC(exon 6)エピトープはほぼ同時に早期のpreB細胞で発現する。CD45RB(exon 5)エピトープ発現はそれに対して顕著に遅れ、その結果骨髄のslgM^+のpre-matureB細胞の一部はCD45RB^-である。しかしmRNAの転写の段階では3個のalternative exonは、ほぼ同時に早期preB細胞で発現する。従ってみかけのCD45RBエピトープ発現の遅れは、分子の翻訳後修飾の違いに関係した現象であると推定される。slgM^+pre-matureB細胞とslgM^+matureB細胞との間でのCD45alternative exonの転写の増加は顕著であり、B細胞の機能的成熟にこれらの構造の発現が重要であることが示唆される。しかし特定のexonが重要であるかは不明である。 (2)CD4陽性T細胞:末梢のCD4陽性T細胞はすべてCD45RA陰性CD45RB陽性であり、exon 6の発現がCD4陽性T細胞を機能的なサブセットに分画する。末梢のCD45RC陽性のCD4陽性T細胞は、主にtwo-exon from(exon 5+exon 6)のtranscriptの形でalternative exon 6を発現する。この細胞はCD3を介した刺激に対してIL-2のみを産生するnaive細胞タイプの機能を示す細胞であり、刺激に応答する際accessory cellに依存する。CD4陽性T細胞上でCD45RCエピトープ発現はリンパ球のhoming receptor,L-selectinの発現と正の相関がある。 (3)CD8陽性T細胞:末梢CD8陽性T細胞はすべてCD45RB陽性CD45RC陽性であり、CD45RAについて陰性あるいは陽性である。CD45RA陽性のCD8陽性T細胞はalternative exon 4を3-exon from(exon 4+exon 5+exon 6)のtranscriptで発現する。cytotoxic CD8^+T cell cloneはCD45RA陽性であり、suppressor effector CD8^+T cell cloneはCD45RA陰性である。in vivoにおけるCD45RA発現によって分画されるCD8陽性T細胞の機能の違いについて、現在検討中である。
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