研究課題/領域番号 |
05670310
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
水口 純一郎 東京医科大学, 医学部, 教授 (20150188)
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研究分担者 |
矢那瀬 紀子 東京医科大学, 医学部, 助手 (10210303)
浅倉 英樹 東京医科大学, 医学部, 助手 (80142462)
高田 栄子 東京医科大学, 医学部, 講師 (50110903)
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キーワード | 補体受容体2 / ヒトB細胞 / シグナル伝達 / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
今年度は、ヒト由来B細胞腫瘍(Raji、Daudi)を用いて、補体受容体2(CR2)と複合体を形成している分子について検討した。腫瘍細胞を温和な可溶化剤であるジギトニン(1%)で可溶化し、抗-CD21抗体結合セファロースで免疫沈降し、in vitroでリン酸化反応を行わせると、85KDa、95KDa、55KDaタンパク質のリン酸化が認められた。これらのタンパク質のリン酸化はKOHの抵抗性であることより、チロシン残基でリン酸化されていることが示された。これらの中で主要なバンドであるp85に着目し、PI-3キナーゼとの異同について解析した。CD21沈降物をNP40バッファーで再可溶化し、抗-PI-3抗体で免疫沈降し、電気泳動を行い、オートラジオグラフィーで目的とするタンパク質を検討した。この特異抗体で免疫沈降すると、85Kの位置にシグナルが認められたが、抗-PI-3抗体で完全に吸収されず、p85はPI-3と未知のタンパク質の複合体であることが示された。現在CD21沈降物をin vitroでリン酸化させ、抗-リン酸化チロシン抗体で免疫沈降、電気泳動し、膜に転写し、アミノ酸シークエンサーを用いて部分配列を解析中である。次に、CD21沈降物を抗-1yn抗体で再免疫沈降すると、55Kバンドが認められ、CD21とsrcファミリーキナーゼ1ynが会合していることが示された。以上より、刺激前の状態で、CD21にはsrcファミリーキナーゼおよびPI-3キナーゼが会合していることが明らかとなった。
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