研究概要 |
CRE-BP1 cDNAをプローブとしてCRE-BP1と類似構造を持つCRE-BPaのcDNAを分離した。CRE-BPaはDNA結合ドメインなどの機能ドメインにおいてCRE-BP1と高いホモロジーを持ち、ホモダイマー又はCRE-BPa/CRE-BP1,CRE-BPa/c-JunのヘテロダイマーとしてCREに結合した。CRE-BP1がアデノウイルスE1Aによる転写活性化を仲介するためにはN末端付近のメタルフィンガー構造とロイシンジッパー構造が必須である。CRE-BPaはCRE-BP1と類似のメタルフィンガー構造とロイシンジッパー構造を持つにも拘わらず、E1Aによる転写活性化を仲介できなかった。この結果はE1AとCRE-BP1の相互作用が非常に特異性の高いものであることを示している。またCRE-BPaの転写活性化能はCキナーゼの活性化因子であるTPAにより促進されることがわかり、CRE-BPaの機能が興味深い機構により制御されていることが明らかになった。 一方、CRE-BP1遺伝子ファミリーの生理的機能を明らかにするためにCRE-BP1,CRE-BPa,ATF-aの遺伝子欠損マウスの作製を試みている。CRE-BP1に関してはES未分化細胞で相同組み換え体を20個以上分離した。
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