研究課題/領域番号 |
05670325
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
土井 陸雄 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70091585)
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研究分担者 |
鹿島 勇治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50233705)
池見 好昭 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80106301)
山田 とし子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20152564)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 個体差 / 臨床検査値 / ロイシンアミノペプチダーゼ / メタロチオネイン / プロモーター / 癌遺伝子 / 細胞癌化 / シスプラチン |
研究概要 |
我々は個人差のモデルとして実験動物の系統差について検討し、これまでに2系統のラットで血清ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)活性が有意に異なることを見出した。さらに、これら2系統及びそれらのF_1及びF_2、さらにF_1と親系統との戻し交配したラットにより血清LAP活性の違いが遺伝的に制御されていることを明らかにした。LAPは部分精製されたタンパク質を用いてN末端から20アミノ酸の配列が種、臓器間で保存されていることが知られていた。そこでここに相当するDNA配列とmRNA3、末端のpolyA配列を利用してラット肝cDNAライブラリーを鋳型にPCRを行い、LAP遺伝子の単離を試みた。PCRにより予想される長さのDNA断片が増幅されたため、クローン化して塩基配列を決定したが、プライマーに用いた配列を除いて全く一致する配列が見出せなかった。今後プライマー並びにcDNAライブラリーを作り直し、再度LAP遺伝子の単離を試みる予定である。 また、LAP活性はある種の癌細胞で高値であり、活性に亜鉛を必要とすることから、癌化とメタロチオネイン(MT)の関係についても検討した。MTはその発現が転写レベルで制御されていることからMTIプロモーターの下流にレポーター遺伝子を接続したプラスミドを導入した細胞を用い種々の癌遺伝子による形質転換の影響を調べた。その結果、ras及びsis癌遺伝子は金属及びグルココルチコイドによるMTIプロモーターの活性化を促進したが、neu癌遺伝子は正常細胞の場合よりも抑制した。MTの関与が知られている制癌剤シスプラチン耐性はいずれの癌遺伝子で形質転換した細胞においても正常細胞より耐性が増加していたことから、MTの合成は金属やグルココルチコイド以外にも複数の因子が関与し、さらに、MTI単独ではなく、MTIIのプロモーターにも作用することにより誘導され、シスプラチン耐性も獲得していると考えられた。
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